2008年12月26日金曜日

孫引き

 今年はじめMol. Biol. Evol.誌に掲載された僕の研究論文が、最近出たNat. Rev. Genet.誌のレビューに紹介された。著者は新規遺伝子がどうやって分子進化の過程でできてくるかを調べているシカゴ大学のLong博士で、僕の以前の研究をFaculty of 1000 Biologyに推薦してくれた人物でもある。たいへん嬉しいことではあるが、たいていの研究者は孫引きするので、著名なレビュー誌に僕のアイデアが掲載されてしまっては、原著論文の方が引用されなくなってしまう。いろいろな問題が指摘されているものの、やはり現在でも論文の引用数をもって客観的な研究成果の評価をしようという考えが未だに根強いので、まったくもって迷惑な話である。

2008年12月17日水曜日

借りて来た猫のよう

 僕が帰国して以来この1年8ヶ月、ずっと娘にピアノを教えてきたが、手に負えなくなってきたので、いよいよ先生につけることにした。先日、家の近くのピアノの先生のところに連れて行き、いろいろと話を伺った。先生に「演奏を聴かせて」と言われ、実演する。楽譜の読み方に関して、簡単な質問をいくつかされたが、娘は全く答えない。借りて来た猫のように黙りこくって、首さえも振らない。それでもよく指が動いたものだ。とりあえず、バイエル修了程度と判定されてほっとしたが、バイエルを終えた生徒の月謝はちょっと高いらしい。

2008年12月5日金曜日

馬子にも衣裳

 M君に対して「馬子にも衣裳」とは、まったく失礼だ。こう書くこと自体が失礼なんだが。

2008年11月10日月曜日

下火

 Yさん「これからホヤの研究は下火になる。」

2008年11月3日月曜日

八つ当たり

 娘が「八つ当たりってなに?」と聞いてきた。漢字の本を買ってもらって、熱心に読んでいたら、「妹に八つ当たりする」という例文が出てきたようだ。
 そういえば僕には二人、妹がいるが、特に年が近い方の妹には何かと八つ当たりしていたような気がする。きのうはその妹の息子、つまり僕の甥を山登りに連れて行ってやったのだが、妹に今さら謝る気もないので、こうやって罪滅ぼしをしていってやろう。

2008年10月28日火曜日

屈辱的

 初めてオンラインで囲碁の対局をしたら、信じられないことに、全ての石を取られ、スクリーン上の碁盤は真っ白になってしまった。屈辱的な敗退を喫した。まだまだ僕は入門段階。自分の力を過信しては駄目だ。

あぶはち取らず

2008年10月21日火曜日

雲泥の差

 囲碁の話が続くが、いつも利用しているGogoのサイトをポスドクで有段者のOさんに教えたところ、九路盤でコンピュータに4子置かせてさっそく対局してみたらしい。結果は28目Oさんの勝ち。僕の実力ではまだまだGogoに勝てないので、僕とOさんの実力に雲泥の差があることが初めて明らかとなった。当たり前のことだが、実力差が数字で表されるのがまた囲碁の面白いところである。

2008年10月19日日曜日

良薬口に苦し

 最近、囲碁に凝っているが、頑張れば頑張るほど上達するので、それがまた楽しい。相手はもっぱらコンピュータである。将棋やチェスに関しては、世界最強のソフトは名人、あるいは世界チャンピオン並みの実力を誇るが、囲碁のソフトは初段にも及ばないらしい。僕が先手で打ち始めれば手頃な相手になる。しかし自分が強くなってきたことをいいことに手を抜いたりすると、いきなりたくさんの石を取られたりして、非常に悔しい思いをする。良薬口に苦しでこれがまた次への上達へとつながる。

2008年10月17日金曜日

たしなむ

 NHKの大河ドラマ『篤姫』の影響もあって、今後、囲碁をたしなむ女性が増えることだろう。うちの娘もそんな一人。

2008年10月16日木曜日

将棋倒し

 帰りに自転車置き場から自分の自転車を出そうとしたら、隣の自転車が倒れて将棋倒しになった。しかたなく、何台もの倒れた自転車を立て直した。

2008年10月8日水曜日

情けは人の為ならず

 娘が毎朝見ている小学生向けのテレビ番組で、日本語の格言などが紹介されている。今日のことばは「なさけはひとのためならず」。教室で先生が子供たちにこのことばを言わせる。一人の男の子が言えずに戸惑っていると、近くにいた女の子がそっと助けてあげるのだが、すると先生が「情けは人の為ならず、助けてあげることは必ずしもよくない」と注意する。実はこれは誤用であって、「情けは人の為ならず」の意味は、「思いやりは他人の為にならない」ではなく、「思いやりは他人の為だけではなく、自分の為にも重要なこと」という深い意味がある。これを女の子に指摘され、先生は赤面。日本語は難しい。

2008年10月6日月曜日

鼻が高い

 今年の分子生物学会でも、登録演題が口頭発表に選ばれた。これで3回連続。自分の研究に興味を持って評価をしてくれる人がいるということはまったく嬉しいことだ。ところで今回、うちの研究室から3件申し込みをして、3件とも口頭発表に選ばれたらしい。N教授には「今年はY君とT君も選ばれたそうで、僕も鼻が高いです。」と言われた。特にD1のT君にとっては、これから学振などのフェローシップをとっていく上で、貴重な糧となることだろう。現在投稿している論文がいいジャーナルに掲載されれば文句なしだ。

2008年10月2日木曜日

いとをかし

 昼食時にこんな会話が出た。「秋の夜のきりぎりすのこゑ、いとをかし。」高校で国語教育を受けている日本人だったら、誰しも意味を取れると思うが、外国人には難しいか。逆に言えば、こんな日本語が口から出たらすごい。ちなみに、ここで言うきりぎりすとはコオロギのこと。

2008年10月1日水曜日

便りがないのは良い便り

 T君の処女作、最初に投稿したジャーナルには早々に蹴られてしまった。これまで頑張って準備してきたのに全く残念なことだが、すぐに次に移れることはいいことだ。そして二つ目。今のところ連絡はないらしい。便りがないのは良い便り。編集委員にしっかり検討してもらって、査読に回ることをみんなが願っている。

2008年9月26日金曜日

潮時

 現状の乏しいデータに遺伝的アルゴリズムを適用して組織特異的な転写を説明しようなんて、まだまだ難しい。Alexは論文も2つ出たことだし、そろそろテーマを大々的に変える潮時だ。

2008年9月24日水曜日

さまさま

 Yuanさんが、今回、学会発表ができるのはS先生のデータさまさまなんだから、金曜日に先生に会ったらよくお礼を言っておくように。

2008年9月20日土曜日

ちんぷんかんぷん

 Yuanさんが、遺伝的背景が全く違う2人が結婚して子供を作れば、頭が良く、容姿もすばらしい子供が生まれると主張する。そんなことは経験的に知られていて、科学的根拠も何もないと。生物学者を志す大学院生としてあるまじき発言だ。中国では許されないが、日本ではいとこ婚が可能である。では、いとこ婚は何が問題となるかを遺伝学的に説明してやったが、メンデルの法則さえ正確に理解していない彼にはどうやらちんぷんかんぷんだったようだ。彼はこれから修士課程を修了して博士課程へ進む。研究室の学生に対する教育システムを考え直さなければならないことを改めて悟らされた。

2008年9月19日金曜日

白羽の矢が立つ

 ある年の正月、父が友人から受け取った年賀状を見て驚いていた。なにやらその大学時代の友人が社会保険庁長官に就任するらしい。ただのサラリーマンがどうしてと父は驚いていた。しかもあの村瀬がと。民間から初めて社会保険庁長官に就いたその村瀬氏は、当時、保険会社の副社長だったらしいが、就任会見で「まさか自分に白羽の矢が立つとは思わなかった」と言っていた。在任期間は僕の留学期間とほぼ一致しており、2007年までの約3年間だった。

2008年9月18日木曜日

死に目にあえない

 IT関連の仕事をしているAlexの弟は、なかなか囲碁が強いらしい。最近は、仕事が忙しいものの、100以上もある囲碁の定石のデータベースを作っているとのこと。そんなことをしていたら、親の死に目にあえないだろう。ちなみに日本には、夜に爪を切ると親の死に目にあえないという迷信がある。僕らの親やそれ以上の世代では、夜に親の前で爪を切るなんて行為は決して許されなかったはず。僕も子供の頃は叱られたりして控えていたが、今では迷信であると確信しているので、平気で親の前で爪を切るが。

2008年9月17日水曜日

自画自賛

 Alexは幼い頃、絵を描くのが好きだったらしい。先日、道具を買ったとのことで、さっそくどこかの山の絵を描いたようだ。携帯電話のカメラで撮ったその絵を見せてもらうと、なかなかうまい。びっくりさせられた一方、彼が一日中、自分の絵を見てほれぼれしている姿は自画自賛で笑える。ちなみにこの表現は絵だけでなく、論文などいろいろなものに対して使える。

2008年9月16日火曜日

臍で茶を沸かす

へそでちゃをわかす。

もう二日経ったのでALEXも忘れてるだろとのことで。
ALEXがチョコ食べるのやめるなんて 臍で茶を沸かすよりありえないとこだな・・

2008年9月11日木曜日

しょぼしょぼ

 最近、なぜか目がしょぼしょぼして仕事が思うように進まない。寝不足も重なってのことか。一日中、コンピュータのディスプレイばかり眺めているのはどうも良くない。

2008年9月10日水曜日

客死

 共済組合に健康保険証を渡したら、臓器提供意思表示カードのパンフレットが添えられて戻ってきた。僕はもう、運転免許証の裏に意思表示をしているので、隣のLisさんにあげた。彼女は献血や骨髄バンク登録は進んでやるものの、驚いたことに「私は日本で死にたくない」と臓器提供は拒んだ。死んだら同じじゃんと思うが、異国で客死したくないという気持ちは分からないでもない。オンタリオ州の運転免許証を取った時、やはり臓器提供の意思を示すことができるが、日本では喜んで提供したいと思ったものの、どうしても署名する気にはなれなかった。そんなことを思い出した一件だった。やはり死ぬのは、故郷でなくてもいいから、母国日本の地でありたい。

2008年9月9日火曜日

六十の手習い

 僕とちょうど60歳離れている義母は、年を取ってから囲碁を覚え、初段を目指して頑張っていた。級は上がれど、なかなか初段には届かないようだったが、僕がカナダに行っている間に、いつの間にか昇段していた。六十の手習いも馬鹿にできたものではない。僕も三十の手習いで、今、碁の打ち方を勉強している。7歳の娘と一緒に。夢は、娘、義母から見れば孫、を鍛え上げて、有段者の義母を打ち負かすことである。

2008年9月4日木曜日

今日の単語

百足(むかで):a centipede
馬陸(やすで):a millipede

水の泡

 カナダに永住してしまった泌尿器科医の友人の話。日本の医師免許は有効ではないが、せめてその知識を生かして仕事をと、オンタリオ州の漢方医になろうとこの2年間、毎日、毎日、寝る時間も惜しんで勉強を続けている。彼女はもう40歳代で、周りの生徒はみんな20代。卒業して資格を取得するにはあと3年はかかるらしい。新婚ということで、旦那さんへの気兼ねもある。しかしここであきらめたら今までの苦労が水の泡。もはや先に進むしかない。

2008年9月1日月曜日

御茶の子さいさい

 SMB/CIFSを介したMac, Linux, Windows間のファイル共有の設定なんて慣れれば御茶の子さいさいだね。英語の"a piece of cake"ってやつでしょうか。

2008年8月30日土曜日

泣きっ面に蜂

 先日、実家に帰ってのんびりしていたら、隣家のお嫁さんが「お宅の植物が大きくなり過ぎて、うちの畦を通るのがたいへんなんです。なんとかしてください。」と苦情を言ってきた。確かにうちの両親は畑仕事に精を出す一方で、そっちは放ったらかし、ひどい状態になっていた。しぶしぶ刈り込み仕事をしていると、近くにハチの巣があったようで、3、4匹のハチに囲まれた。そして数秒後、なんと襲いかかってきた。「やばい」と思い、振り払いながら全速力で逃げたが、軍手の上から1匹に刺された。泣きっ面に蜂だが、それはともかく恐ろしい痛みだ。この激痛は1時間以上続き、丸1日は苦しまされた。久しぶりにハチに刺された。

2008年8月28日木曜日

二兎を追う者は一兎をも得ず

 一つめの論文の投稿どころか、草稿が書き上がってもいないのに、N君は次のプロジェクトに打ち込むよう言われているらしい。彼は博士課程最終学年。二兎を追う者は一兎をも得ずにならなければよいが。

2008年8月26日火曜日

揚げ足を取る

 イベントのお知らせで、日付と曜日が一致していなくて混乱させてしまうことがよくある。冗長な情報であるから曜日はなくてもいいような気もするが、やっぱりあればあったで便利であろう。たいていの場合、どっちが間違っているかは容易に察しがつく。研究室内でもよくあることであり、T君がセミナーの案内でこれをやってしまうと、すかさずNicolasが"I am sorry I missed today's seminar."と皮肉を返した。僕も別の間違いを見つけたので、揚げ足を取ってやった。

2008年8月18日月曜日

金切り声

まあ、stylishかどうかわからないけど、この間初めて「金切り声」(かなきりごえ)と言う言葉を聞いたらおもしろい言葉だと思った。

オランダ語でも似たな言葉があるが、"door merg en been snijdende kreet"、日本語で言うと「骨髄切り声」という風な意味だ。

やはり全然違う言葉でも似たような表現が多い。

2008年8月12日火曜日

尻に火がつく

 カナダで永住権と市民権を取得し、さらに現地人と結婚までしてしまい、せっかくの医師免許を活用できない友人がいるのだが、漢方医になるべく、学校にも通い、毎日勉学に励んでいるらしい。先日、僕が飼っていたカマキリの孵化のビデオを見せてあげたら、カマキリの卵鞘は夜尿症などに効く重要な漢方薬の一つらしく、その泌尿器科医の彼女からこんなメッセージが届いた。「水曜日の試験までに270の生薬の作用を暗記しなくてはなりません。ということで、私は今お尻に火がついています。」

2008年8月11日月曜日

鬼の居ぬ間に洗濯

 来週は研究室の多くのメンバーが軽井沢に行く。それはそれで楽しいことなのだが、困ったことにセミナーで発表するいい話題がない。留守番となるM君にとっては、鬼の居ぬ間に洗濯である。息抜きしながら、気楽に研究に打ち込んでもらいたい。

2008年8月8日金曜日

後の祭り

 第37回ビアパーティー。ちょうど僕が生まれた年に始まったのか。それはともかく、恒例のクイズ大会では北京オリンピックにちなんだ問題が出ると予想され、袁さんがチームに加わることに。しかし残念ながら、予選敗退。そして決勝の1問目が北京オリンピックのマスコット関連の出題。当然、袁さんは正解を知っていたが、N教授曰く、後の祭り

2008年8月7日木曜日

馬の耳に念仏

 休んだり、遅刻したりする時は、ちゃんと指導教官である先生に、メールでも何でもいいから連絡するようにとあれだけLisさんに説教してやったのに、馬の耳に念仏だったようだ。そう、本人にも言ってやったら、「馬じゃない」と返されたので、意味を解したのだろう。馬じゃなくて人なら、もっと将来のことも考えて行動してもらいたい。

2008年8月6日水曜日

雀の涙

 日本の金利はどうしてこうも低いのだろう。仮に100万円を数年預けたとしても、税金が引かれて手に入る利息は雀の涙だ。最近、外貨預金がはやる理由が分からなくもないが、為替手数料が馬鹿にならない。外貨預金とはいい商売だ。

2008年8月4日月曜日

来年のことを言うと鬼が笑う

 7月下旬から8月上旬にかけて、区が小中学校のプールを無料開放していたため、この2週間はただで泳ぐことができた。きのうの日曜日が最終日で、「来年もぜひいらしてください」と指導員の方に言われ、ああもうおしまいかと残念に思った。来年のことを言うと鬼が笑うと言うが、ぜひこれからも、プール開放を続けて行ってもらいたい。

2008年8月2日土曜日

果報は寝て待て

 実はカナダで手をつけておきながら、論文の出版に至っていない仕事が未だ2つある。そのうちの1つは、もうずっと前に書き終えて、向こうのボスに最終チェックをしてくれるよう、お願いしてあったのだが、ずっと放っておかれ、1ヶ月ほど前に催促の電話を入れて、ようやく投稿に至った。それからさらに待つこと20日以上、査読に回すという編集委員の決定が出た。これからどうなるのか、まだまだわからないが、果報は寝て待てと言われているように、あまり気にせずに気長に待つよりほかない。今の研究も早くまとまるように頑張らねばならないし。

2008年7月31日木曜日

三日坊主

 今日は7月末日で、子供たちの夏休みはまだまだ続くが、地域のラジオ体操は最終日を迎えた。当初、嫌がる娘を強引に連れて行き、三日坊主でもいいからとりあえず何日間か父と子そろって参加しようと思っていたが、終わってみれば皆勤である。それも、出席カードに印を押してもらい、参加賞をもらうんだという娘の強い意思があったからである。最後に町内会長の挨拶があり、娘はノートと筆記用具をもらって上機嫌。出席カードを持っていなかった僕も同じ物をいただいてしまった。実は、今日だけ参加しても、同じ物がもらえたのである。皆勤賞を手にしたことを誇りに思っている娘にはこの事実は内緒であるが。

2008年7月28日月曜日

世間は狭い

 今日、研究室でセミナーをしてくださったインド人のSarathが、日本の研究者を訪ねて、彼の関係者の多くが知り合い同士だったことを知り、"It's a small world."と言っていた。僕がカナダにいた頃教えてもらった懐かしい言葉だ。"It's the small world phenomenon."とも言う。日本語だったら、「世間は狭いなあ。」と言いながら感慨にふける。

2008年7月27日日曜日

門前の小僧習わぬ経を読む

 僕の博士課程の時の指導教官は、ヒトゲノムプロジェクトの日本のリーダーを務めていた。ある日、先生宛のメールを秘書のKばあさんが印刷して、「あら、いやだ、文字化けだわ。」と言っていた。覗き込んでみると、単にAとCとGとTの文字が並んだ単なるDNA配列ではないか。門前の小僧習わぬ経を読むと言うが、小僧でなくばあさんでは学習能力はなかったのかもしれない。

2008年7月26日土曜日

井の中の蛙

Alex: 「大学院生でグリニッジを知らないとは。」
NorthernPika: 「日本で暮らしていたら、別にそんなの知る必要がないんだよ。」
とは言え、T君、そんなことでは井の中の蛙大海を知らずと言われてもしかたない。日本には、タイムゾーンもサマータイムもないので、日本人は世界中の時計がいかにうまく運用されているかを知らない。サマータイムなんかが導入されたら大混乱が起こると思っている輩も多い。

2008年7月25日金曜日

日本語学校では教わらない日本語・その1:「〜たまえ」

普通の日常会話で良く使われているのに、なぜか日本語のテキストや授業には絶対に出てこない言葉がたくさんあります。「俺」や「お前」とか、特にビジネス会話だと使ってはいけない言葉が多いです。

N先生もM君に対してたまに使っている「〜たまえ」の命令形もそうです。私は日本語の勉強を始めてもう数年経ったんですが、「〜たまえ」の命令形を知ったのはつい最近なんです。テキストにも載ってないですし、電子辞書にも載ってないですし・・・

例:
「水を一杯飲んで、首相は「どんどん質問したまえ!」と言った。」
「この問題に注意したまえ。」
「影でこそこそせず面と向かって彼にそれをいいたまえ。」
など。

なけなし

 夕方、スーパーマーケットに行ったら、ものすごい人だかりだった。そうだ、土用の丑の日で、みんな鰻を求めて買い物に来ていたのだ。しかし、僕のなけなしの給料では、家族みんなに鰻を振る舞うなどできやしない。

2008年7月24日木曜日

大いなる遺産・その8:爪の垢

【爪のあか】

ピップはようやく自分の恩人は誰かがわかってきた。でも、ずっと他の人だと思い込んでて、かなり不満を感じている。そこで、後見者のジャガーズさんにこう言われる:「そう思ってても、爪のあかほどの証拠もなかったんだよ、ピップ!」

他の例:「彼の話には爪のあかほどの真実もない」

他の使い方:

研究室のOさんは、子供のころ良くいわれた言葉:
爪の垢を煎じて飲む

例:「あの人の爪のあかでもせんじて飲んだらどうだ!」- "There is a great deal you could learn from him!"

根刮ぎ

 ベルギーで育ったAlexは、子供の頃から英語のテレビ番組を見て、自然に英語を習得したらしい。Alex、大学院生たちのお粗末な英語を根刮ぎ直してやってくれ。

2008年7月23日水曜日

骨を埋める

 世界的に見ればたいして役にも立たない日本語を、そんなに熱心に勉強して、Alexは日本に骨を埋める気か。

2008年7月22日火曜日

早起きは三文の徳

 三連休が終わり、いよいよ本格的な夏休み。なぜか娘は5時半頃に起きてきた。今朝から小学校の校庭でラジオ体操があるのだが、様子見に、とりあえず初日だけは行ってみることにした。娘は「行きたくない」と駄々を捏ねていたが強引に連れ出した。校長先生も来ていて、町内会長の挨拶の後、子供たちに追加の宿題を出した。「今日、家に帰ったら、早起きは三文の徳という言葉の意味を調べておきなさい。」と。体操を終えて、出席カードをもらうと、「やっぱり毎日通う。」と言い出し、ご機嫌になった。これぞ早起きは三文の徳か。朝早く起きなければ、体操もできなかったし、校長先生の追加宿題ももらえなかったし、カードももらえなかった。

2008年7月21日月曜日

処女作

 この前、修士論文を書き上げたT君が、いよいよ英文学術誌に投稿する論文の初稿を書き上げたらしい。これからも幾多の困難が待ち受けていることと思うが、研究者としての処女作が世の中に発表される日を楽しみに頑張ってもらいたい。

2008年7月20日日曜日

清水の舞台から飛び下りるよう

 研究室で購読しているUNIX Magazineの最新号に、こんなことが書かれていた。「筆者が大学生のころ、清水の舞台から飛び下りる気分で買ったハードディスクと同じ容量のメモリが、数千円で買えてしまうのは今でも信じられない。」その著者が、僕とどれだけ離れているのか知らないが、僕が大学生のころに買ったコンピュータは40万円くらいで、メインメモリとハードディスクの容量がそれぞれ、8 MB/230 MB、忘れもしない。当時は4 MBのハードディスクなどもまだまだ現役で、周囲からは羨望の的だった。数年後、同じく清水の舞台から飛び下りるかのごとくの気分で、16 MB/500 MBを買い足したのも覚えている。確かに今、500 MBのメモリなど数千円だろう。使われる単位は20年弱でMBからGBに置き換わった。

2008年7月19日土曜日

取らぬ狸の皮算用

 ボスから「ポスドクとして雇えるかもしれない」と言われたらしいが、Alex、それは1年以上も先の話。それに取らぬ狸の皮算用だから、安心しきらず、今後の動向をよく見守っているように。

2008年7月18日金曜日

大いなる遺産・その7: 恩を仇で返す

恩を仇で返す:return evil for good (仇:【あだ】)

飼い犬に手を噛まれる:be betrayed by one's trusted follower

例:
「信頼していた秘書に裏切られるなんて飼い犬に手をかまれたようなものだ」

旅の恥は掻き捨て

 僕はそんなでもないと思っているのだが、自他ともに認める英語の苦手なN君が今日、カナダ、米国へと旅立つ。「頑張って、向こうの人たちと積極的に話すようにします。どうせ旅の恥は掻き捨てですから。」と言っていた。その通り。恥を掻きまくって、いろいろなことを経験し、いろいろ感じて来てもらいたい。

2008年7月17日木曜日

心の琴線に触れる

漢字の勉強をやったら「琴」の漢字にはこんな例文を書いてありました:

「心の琴線に触れる」

例:その小説は読者の心の琴線に触れるものだった。

端くれ

 きのうは、AlexのLinuxにSambaをインストールするのを手伝って、勤務時間の半分が潰れた。コンピュータを扱う大学院生の端くれとして、そのくらいのことは自力でできるようになってくれよ。

2008年7月16日水曜日

眉間にしわを寄せる

ピップはお金を使いまくって借金を増やして、後見人のジャガーズさんに叱られる。ジャガーズさんは額に八の字を寄せて、「さて、私はこれから君に一言、二言話をしよう」と言った。

数ページ後、「眉を八の字に寄せる」と言う言葉も出てきました。

だが、「眉間にしわを寄せる」のほうが良く使われているらしいです。

例:「彼は眉間にしわを寄せて考え込んだ」

足を伸ばす

 今週末からN先生が大学院生2人と学会で、僕が3年間を過ごした懐かしのトロントへ行く。僕独自のお薦め観光スポットやレストランを紹介しておいた。短い滞在ではあるが、街のあちこちに足を伸ばしてカナダ最大の都市トロントを味わって来てもらいたい。

2008年7月15日火曜日

物議を醸す

 最近のNature誌に、オープン・アクセス・ジャーナルであるPLoSMBCに関する記事が掲載され、Web上では反対意見なども投稿され、物議を醸している。僕も研究室のメーリングリストに流したら、さっそくN先生もコメントを流してくれた。とかく生命科学者は、他の分野の研究者と比べ、ジャーナルの話には熱をあげる。

2008年7月14日月曜日

引張り蛸

 大学の弓道サークルでAlexは女の子たちから引張り蛸らしい。"ガイジン"と英語を話したがっている女子大生はけっこう多いようだ。Alexはネイティブじゃないのに。

2008年7月13日日曜日

大いなる遺産・その6:生き馬の目を抜く

実際に使われているかどうか知りませんが、こんなのが出たんです:
「実を言うと、私は、いまさらのようにまた、私の後見人がこんなに生き馬の眼を引っこ抜くような才能の人でなければ良かったのにと、心の底から思ったのだった」

電子辞書に載っている意味:
生き馬の目を抜くような」:sharp, shrewd
「生き馬の目を抜くようなことをする」:use (resort to) sharp practices

例:「東京は生き馬の目を抜くような所だから気をつけなさい!」

人事を尽くして天命を待つ

 研究者とはずいぶん身勝手で利己的な職だと思うところがあり、多少なりとも社会貢献を、いや、もっと小さくていいから、例えば地域社会への貢献活動も人としてしておかねばと、できる限りではあるものの毎週末、PTA活動のお手伝いをしようと思っている。来週末に行われる小学校の夏まつりの準備だ。僕の貢献度はかなり低いが、5月末からの多くの方々の手により、準備はだいたい整ったようだ。最大の問題は当日の天候。実行委員長は「人事を尽くして天命を待つのみ」と言っていたが、これまでやって来た活動に対する誇りが感じられる。

2008年7月12日土曜日

しどろもどろ

 M君のしどろもどろなプレゼンテーションも、回を重ねるごとに良くなっているような気がする。"Practice makes perfect." 頑張れ。

2008年7月11日金曜日

目から鱗が落ちる

 きのうは研究室にK准教授がやって来て、夜はみんなで中華料理屋に繰り出した。れんげ、よくラーメンのスープを飲むのに使うあのちょっと大きなさじ、が出て来て、N教授は「これは『れんげ』と言うんじゃ」とAlexに教授していた。「なんで『れんげ』と言うのかは知らないが」とも。そこで僕が得意気に説明してあげると、N教授もK准教授も目から鱗が落ち、今日一番の収穫と喜んでくれた。Alexにはちょっと難しかったか。『ちびまる子ちゃん』に出てくる佐々木のじいさんの受売りに過ぎないんだが。

2008年7月10日木曜日

大いなる遺産・その5:身の程を知る

どんな状況で使われたかを良く覚えてないですが、

「身の程を知る」:know (be aware of) one's limitations, know one's place, know oneself

でも、「身の程を知らない」のほうが良く使われていると思います。

例:「Natureに論文を出すなんて、T君は身の程を知らない男だ!」

切羽詰まる

 プレゼンテーションを控え、切羽詰まったM君は、みんなと一緒に昼飯を食べる余裕もない。前もって、ちゃんと準備を進めておかなきゃ。

2008年7月9日水曜日

軌道に乗る

 Alexがこの冬、南半球では夏だが、オーストラリアで開かれる学会で口頭発表することになった。おめでとう。仕事が軌道に乗っているようでなにより。

2008年7月8日火曜日

口コミ

もうちょっと前の話なんですが、ある日「今度のデートどこのレストランに行こうかな〜」と思ってインターネットのグルメ情報を見たりしていました。そしたら、「口コミのいいレストラン」と書いた店を見つけました。

口コミ」という言葉を知らなかった私は研究室のFさんに
「『ろこみ』って何?」
を聞いてしまいました・・・

日本語流暢への道は落とし穴だらけです。

平和裡に終わる

 N教授: 「例の件は、平和裡に終わりそうでほっとしています。」

大いなる遺産・その4:歯が浮く

ピップは乗合馬車に乗って、たまたま二人の囚人の前の席に座ることになってしまいます。そしてずっとあの囚人の息を後頭部に感じて、歯が浮き立つ思いがした。

電子辞書に載った例は結構わかりやすい。
「ガラスをきしる音を聞くと歯が浮くような感じになる」

2008年7月7日月曜日

度忘れ

Lis: 「既知の転写因子結合サイトは何を使って探せばいいの?」
NorthernPika: 「TRANSFACでもいいけど、僕がよく使っているのは、ただの... あれ、何だっけ? 度忘れして思い出せない...」

2008年7月6日日曜日

雨降って地固まる

 きのうの話題の続き。実は、娘は、顔を引っ掻かれる前から、ずっとその友人に意地悪なことを言われていたらしい。引っ掻かれて、ついに僕は行動に出た。幸い、向こうの母親は話の分かる人で、娘の友達もすぐに謝ってくれたと言う。雨降って地固まってくれることを願う。

2008年7月5日土曜日

親の顔が見たい

 おととい、娘が顔中にいくつもの引っ掻き傷を負って帰って来たのでびっくり。何が起こったのか問い詰めても、なかなか口を割らなかったが、ついに一人の同性友達に引っ掻かれたらしいことが分かった。「なんでやり返さない?」と問うと、「だって先生が『やり返したらいけません』って言ってたもん」と。実は、今週、二度目である。そいつの親の顔を見てみたい。殴り込みに行こうかと思ったが、妻に制止され、電話をするに留めておいた。

2008年7月4日金曜日

太っ腹

Alex: 「きのうはみんなで河豚を食べに行って、なかなか楽しかったよ。」
NorthernPika: 「へ〜ぇ、よかったねぇ。N先生は太っ腹だった?」
Alex: 「もちろん。」

お酒に関する言葉

「酒は百薬の長と言われている」:"Sake is said to be the best of all medicines"

・・・もちろんチョコレートもそうなんですが・・・

その逆の意味の言葉:
「タバコは百害あって一利なしだ」:"Smoking does nothing but harm"


T君がまた変なのを教えてくれた:
「飲む打つ買う」
例:「彼は飲む、打つ、買うの三拍子そろった遊び人だ」:"He is a complete playboy with all the vices, spending his money on drinking, gambling and women".

さすが、T君!

2008年7月3日木曜日

甲乙付けがたい

 Alexの日本語も日進月歩で、Lisさんの日本語と甲乙付けがたくなってきた。Yuanさんも頑張れ!

2008年7月2日水曜日

桃栗三年柿八年

 Alex、桃栗三年柿八年と言うように、一人前の研究者になるにはそれなりの年月がかかるんだよ。僕は博士号を取るのに会社を辞めてから5年も費やした。

大いなる遺産・その3:助け船を出す

孤児のピップはお金持ちのミセス・ポケットに「お母さんはお元気ですか?」と聞かれて、どう答えたらいいかを悩んでいた。すると彼女の子供たちの保母が助け船を出して話題をかえた。

「助け船を出す」: come to a person's rescue, put in a few words to help a person out

例:Pさんは緊急な用事でセミナーを中止して、Mくんは助け船を出して代わりに発表をしてくれました。

2008年7月1日火曜日

天涯孤独 【てんがいこどく】

WWWJDICによると、「天涯孤独」の意味は"a person without a single relative"です。

例文:彼は妻に死なれ天涯孤独の身となった。

日本語の勉強をしている私にとってはこの例文が意外におもしろいです。なぜかというと、「妻に死なれ」の部分は他の言葉にはあまりない言い方ですから。

(少なくとも、
私の知っている限りでは英語・オランダ語・フランス語ではそんな言い方がないと思います)

「天涯」を使う他の言葉:
天涯地角 【てんがいちかく】
天涯比隣 【てんがいひりん】
天涯万里 【てんがいばんり】

節穴

 Alexが、愛読誌であるNucleic Acids Researchに掲載された一つの"重要な論文"を見落とした。Alex、お前の眼は節穴か!

2008年6月30日月曜日

てにをは

 普段の日常会話ではてにをはの間違いは気にならないけど、文章にして書いてみると、間違った使い方が目立つようになる。日本語検定一級のAlex、てにをはの正しい日本語を目指して頑張れ!

2008年6月29日日曜日

大いなる遺産・その2:「名まえ」の謎

「大いなる遺産」には、見たこともない漢字が良く出るんですよ。それに、振り仮名が載ってても、携帯の辞書には入ってない語彙が多いです。(電子辞書で調べるのは時間がかかるし面倒臭いですし、頑張って文脈からなんとなく意味を推測することが多いです)

「威嚇」や「枷」や「奴隷」など。

なのに、比較的にすごく簡単な「名前」はなぜかいつも「名まえ」になってしまいます。

なぜですか??

びちゃびちゃ

 Alexよりも日本語のうまいLisさんでも、「びちゃびちゃ」と「びしょびしょ」など、擬態語の使い分けにはかなり苦労しているようだ。
 僕が彼らにあげたハカラメの鉢には底に穴がない。水をたっぷりあげれば、土はびちゃびちゃになってしまう。水気の多いご飯にも「びちゃびちゃ」は使えるかな。しかし、「びしょびしょ」とはちょっと違う。

2008年6月28日土曜日

目の中へ入れても痛くない

 『手塩に掛ける』は確かによく使いますね。多少、独りよがりな印象がありますが。それと関連する表現で『目の中へ入れても痛くない』というのもあります。
 僕が「手塩に掛けて育てた娘」なんて言うと、僕独りで頑張って養育したような感じで、妻に怒られそうですが、「そうやって大切に育てた娘は目の中へ入れても痛くないね」などと使えます。目の中に子供を入れるなんて、痛いどころか不可能ですが。

2008年6月27日金曜日

大いなる遺産・その1

主人公のピップは良く

「手塩にかけて育てたのに」とか、姉に叱られたりする。

すごく良く出てくる。特に最初のほう、5ページに絶対に一回位。

以前に教えてくれた言葉

  • てにをは
  • 節穴
  • 桃栗三年柿八年
  • 寄らば大樹の蔭
  • 五月病
  • 一夜漬
  • お茶を濁す
  • 世話を焼く
「て」という助詞がないので「でにをは」のほうがいいと思うけどね!

猫を被る

とあるイタリア料理店で。
Y教授: 「N大よりO女大の学生の方が頭がいいですよ。」
N教授: 「いやぁ、O女大の学生は猫を被っているかもしれないから、気をつけた方がいいですよ。」