2008年7月31日木曜日

三日坊主

 今日は7月末日で、子供たちの夏休みはまだまだ続くが、地域のラジオ体操は最終日を迎えた。当初、嫌がる娘を強引に連れて行き、三日坊主でもいいからとりあえず何日間か父と子そろって参加しようと思っていたが、終わってみれば皆勤である。それも、出席カードに印を押してもらい、参加賞をもらうんだという娘の強い意思があったからである。最後に町内会長の挨拶があり、娘はノートと筆記用具をもらって上機嫌。出席カードを持っていなかった僕も同じ物をいただいてしまった。実は、今日だけ参加しても、同じ物がもらえたのである。皆勤賞を手にしたことを誇りに思っている娘にはこの事実は内緒であるが。

2008年7月28日月曜日

世間は狭い

 今日、研究室でセミナーをしてくださったインド人のSarathが、日本の研究者を訪ねて、彼の関係者の多くが知り合い同士だったことを知り、"It's a small world."と言っていた。僕がカナダにいた頃教えてもらった懐かしい言葉だ。"It's the small world phenomenon."とも言う。日本語だったら、「世間は狭いなあ。」と言いながら感慨にふける。

2008年7月27日日曜日

門前の小僧習わぬ経を読む

 僕の博士課程の時の指導教官は、ヒトゲノムプロジェクトの日本のリーダーを務めていた。ある日、先生宛のメールを秘書のKばあさんが印刷して、「あら、いやだ、文字化けだわ。」と言っていた。覗き込んでみると、単にAとCとGとTの文字が並んだ単なるDNA配列ではないか。門前の小僧習わぬ経を読むと言うが、小僧でなくばあさんでは学習能力はなかったのかもしれない。

2008年7月26日土曜日

井の中の蛙

Alex: 「大学院生でグリニッジを知らないとは。」
NorthernPika: 「日本で暮らしていたら、別にそんなの知る必要がないんだよ。」
とは言え、T君、そんなことでは井の中の蛙大海を知らずと言われてもしかたない。日本には、タイムゾーンもサマータイムもないので、日本人は世界中の時計がいかにうまく運用されているかを知らない。サマータイムなんかが導入されたら大混乱が起こると思っている輩も多い。

2008年7月25日金曜日

日本語学校では教わらない日本語・その1:「〜たまえ」

普通の日常会話で良く使われているのに、なぜか日本語のテキストや授業には絶対に出てこない言葉がたくさんあります。「俺」や「お前」とか、特にビジネス会話だと使ってはいけない言葉が多いです。

N先生もM君に対してたまに使っている「〜たまえ」の命令形もそうです。私は日本語の勉強を始めてもう数年経ったんですが、「〜たまえ」の命令形を知ったのはつい最近なんです。テキストにも載ってないですし、電子辞書にも載ってないですし・・・

例:
「水を一杯飲んで、首相は「どんどん質問したまえ!」と言った。」
「この問題に注意したまえ。」
「影でこそこそせず面と向かって彼にそれをいいたまえ。」
など。

なけなし

 夕方、スーパーマーケットに行ったら、ものすごい人だかりだった。そうだ、土用の丑の日で、みんな鰻を求めて買い物に来ていたのだ。しかし、僕のなけなしの給料では、家族みんなに鰻を振る舞うなどできやしない。

2008年7月24日木曜日

大いなる遺産・その8:爪の垢

【爪のあか】

ピップはようやく自分の恩人は誰かがわかってきた。でも、ずっと他の人だと思い込んでて、かなり不満を感じている。そこで、後見者のジャガーズさんにこう言われる:「そう思ってても、爪のあかほどの証拠もなかったんだよ、ピップ!」

他の例:「彼の話には爪のあかほどの真実もない」

他の使い方:

研究室のOさんは、子供のころ良くいわれた言葉:
爪の垢を煎じて飲む

例:「あの人の爪のあかでもせんじて飲んだらどうだ!」- "There is a great deal you could learn from him!"

根刮ぎ

 ベルギーで育ったAlexは、子供の頃から英語のテレビ番組を見て、自然に英語を習得したらしい。Alex、大学院生たちのお粗末な英語を根刮ぎ直してやってくれ。

2008年7月23日水曜日

骨を埋める

 世界的に見ればたいして役にも立たない日本語を、そんなに熱心に勉強して、Alexは日本に骨を埋める気か。

2008年7月22日火曜日

早起きは三文の徳

 三連休が終わり、いよいよ本格的な夏休み。なぜか娘は5時半頃に起きてきた。今朝から小学校の校庭でラジオ体操があるのだが、様子見に、とりあえず初日だけは行ってみることにした。娘は「行きたくない」と駄々を捏ねていたが強引に連れ出した。校長先生も来ていて、町内会長の挨拶の後、子供たちに追加の宿題を出した。「今日、家に帰ったら、早起きは三文の徳という言葉の意味を調べておきなさい。」と。体操を終えて、出席カードをもらうと、「やっぱり毎日通う。」と言い出し、ご機嫌になった。これぞ早起きは三文の徳か。朝早く起きなければ、体操もできなかったし、校長先生の追加宿題ももらえなかったし、カードももらえなかった。

2008年7月21日月曜日

処女作

 この前、修士論文を書き上げたT君が、いよいよ英文学術誌に投稿する論文の初稿を書き上げたらしい。これからも幾多の困難が待ち受けていることと思うが、研究者としての処女作が世の中に発表される日を楽しみに頑張ってもらいたい。

2008年7月20日日曜日

清水の舞台から飛び下りるよう

 研究室で購読しているUNIX Magazineの最新号に、こんなことが書かれていた。「筆者が大学生のころ、清水の舞台から飛び下りる気分で買ったハードディスクと同じ容量のメモリが、数千円で買えてしまうのは今でも信じられない。」その著者が、僕とどれだけ離れているのか知らないが、僕が大学生のころに買ったコンピュータは40万円くらいで、メインメモリとハードディスクの容量がそれぞれ、8 MB/230 MB、忘れもしない。当時は4 MBのハードディスクなどもまだまだ現役で、周囲からは羨望の的だった。数年後、同じく清水の舞台から飛び下りるかのごとくの気分で、16 MB/500 MBを買い足したのも覚えている。確かに今、500 MBのメモリなど数千円だろう。使われる単位は20年弱でMBからGBに置き換わった。

2008年7月19日土曜日

取らぬ狸の皮算用

 ボスから「ポスドクとして雇えるかもしれない」と言われたらしいが、Alex、それは1年以上も先の話。それに取らぬ狸の皮算用だから、安心しきらず、今後の動向をよく見守っているように。

2008年7月18日金曜日

大いなる遺産・その7: 恩を仇で返す

恩を仇で返す:return evil for good (仇:【あだ】)

飼い犬に手を噛まれる:be betrayed by one's trusted follower

例:
「信頼していた秘書に裏切られるなんて飼い犬に手をかまれたようなものだ」

旅の恥は掻き捨て

 僕はそんなでもないと思っているのだが、自他ともに認める英語の苦手なN君が今日、カナダ、米国へと旅立つ。「頑張って、向こうの人たちと積極的に話すようにします。どうせ旅の恥は掻き捨てですから。」と言っていた。その通り。恥を掻きまくって、いろいろなことを経験し、いろいろ感じて来てもらいたい。

2008年7月17日木曜日

心の琴線に触れる

漢字の勉強をやったら「琴」の漢字にはこんな例文を書いてありました:

「心の琴線に触れる」

例:その小説は読者の心の琴線に触れるものだった。

端くれ

 きのうは、AlexのLinuxにSambaをインストールするのを手伝って、勤務時間の半分が潰れた。コンピュータを扱う大学院生の端くれとして、そのくらいのことは自力でできるようになってくれよ。

2008年7月16日水曜日

眉間にしわを寄せる

ピップはお金を使いまくって借金を増やして、後見人のジャガーズさんに叱られる。ジャガーズさんは額に八の字を寄せて、「さて、私はこれから君に一言、二言話をしよう」と言った。

数ページ後、「眉を八の字に寄せる」と言う言葉も出てきました。

だが、「眉間にしわを寄せる」のほうが良く使われているらしいです。

例:「彼は眉間にしわを寄せて考え込んだ」

足を伸ばす

 今週末からN先生が大学院生2人と学会で、僕が3年間を過ごした懐かしのトロントへ行く。僕独自のお薦め観光スポットやレストランを紹介しておいた。短い滞在ではあるが、街のあちこちに足を伸ばしてカナダ最大の都市トロントを味わって来てもらいたい。

2008年7月15日火曜日

物議を醸す

 最近のNature誌に、オープン・アクセス・ジャーナルであるPLoSMBCに関する記事が掲載され、Web上では反対意見なども投稿され、物議を醸している。僕も研究室のメーリングリストに流したら、さっそくN先生もコメントを流してくれた。とかく生命科学者は、他の分野の研究者と比べ、ジャーナルの話には熱をあげる。

2008年7月14日月曜日

引張り蛸

 大学の弓道サークルでAlexは女の子たちから引張り蛸らしい。"ガイジン"と英語を話したがっている女子大生はけっこう多いようだ。Alexはネイティブじゃないのに。

2008年7月13日日曜日

大いなる遺産・その6:生き馬の目を抜く

実際に使われているかどうか知りませんが、こんなのが出たんです:
「実を言うと、私は、いまさらのようにまた、私の後見人がこんなに生き馬の眼を引っこ抜くような才能の人でなければ良かったのにと、心の底から思ったのだった」

電子辞書に載っている意味:
生き馬の目を抜くような」:sharp, shrewd
「生き馬の目を抜くようなことをする」:use (resort to) sharp practices

例:「東京は生き馬の目を抜くような所だから気をつけなさい!」

人事を尽くして天命を待つ

 研究者とはずいぶん身勝手で利己的な職だと思うところがあり、多少なりとも社会貢献を、いや、もっと小さくていいから、例えば地域社会への貢献活動も人としてしておかねばと、できる限りではあるものの毎週末、PTA活動のお手伝いをしようと思っている。来週末に行われる小学校の夏まつりの準備だ。僕の貢献度はかなり低いが、5月末からの多くの方々の手により、準備はだいたい整ったようだ。最大の問題は当日の天候。実行委員長は「人事を尽くして天命を待つのみ」と言っていたが、これまでやって来た活動に対する誇りが感じられる。

2008年7月12日土曜日

しどろもどろ

 M君のしどろもどろなプレゼンテーションも、回を重ねるごとに良くなっているような気がする。"Practice makes perfect." 頑張れ。

2008年7月11日金曜日

目から鱗が落ちる

 きのうは研究室にK准教授がやって来て、夜はみんなで中華料理屋に繰り出した。れんげ、よくラーメンのスープを飲むのに使うあのちょっと大きなさじ、が出て来て、N教授は「これは『れんげ』と言うんじゃ」とAlexに教授していた。「なんで『れんげ』と言うのかは知らないが」とも。そこで僕が得意気に説明してあげると、N教授もK准教授も目から鱗が落ち、今日一番の収穫と喜んでくれた。Alexにはちょっと難しかったか。『ちびまる子ちゃん』に出てくる佐々木のじいさんの受売りに過ぎないんだが。

2008年7月10日木曜日

大いなる遺産・その5:身の程を知る

どんな状況で使われたかを良く覚えてないですが、

「身の程を知る」:know (be aware of) one's limitations, know one's place, know oneself

でも、「身の程を知らない」のほうが良く使われていると思います。

例:「Natureに論文を出すなんて、T君は身の程を知らない男だ!」

切羽詰まる

 プレゼンテーションを控え、切羽詰まったM君は、みんなと一緒に昼飯を食べる余裕もない。前もって、ちゃんと準備を進めておかなきゃ。

2008年7月9日水曜日

軌道に乗る

 Alexがこの冬、南半球では夏だが、オーストラリアで開かれる学会で口頭発表することになった。おめでとう。仕事が軌道に乗っているようでなにより。

2008年7月8日火曜日

口コミ

もうちょっと前の話なんですが、ある日「今度のデートどこのレストランに行こうかな〜」と思ってインターネットのグルメ情報を見たりしていました。そしたら、「口コミのいいレストラン」と書いた店を見つけました。

口コミ」という言葉を知らなかった私は研究室のFさんに
「『ろこみ』って何?」
を聞いてしまいました・・・

日本語流暢への道は落とし穴だらけです。

平和裡に終わる

 N教授: 「例の件は、平和裡に終わりそうでほっとしています。」

大いなる遺産・その4:歯が浮く

ピップは乗合馬車に乗って、たまたま二人の囚人の前の席に座ることになってしまいます。そしてずっとあの囚人の息を後頭部に感じて、歯が浮き立つ思いがした。

電子辞書に載った例は結構わかりやすい。
「ガラスをきしる音を聞くと歯が浮くような感じになる」

2008年7月7日月曜日

度忘れ

Lis: 「既知の転写因子結合サイトは何を使って探せばいいの?」
NorthernPika: 「TRANSFACでもいいけど、僕がよく使っているのは、ただの... あれ、何だっけ? 度忘れして思い出せない...」

2008年7月6日日曜日

雨降って地固まる

 きのうの話題の続き。実は、娘は、顔を引っ掻かれる前から、ずっとその友人に意地悪なことを言われていたらしい。引っ掻かれて、ついに僕は行動に出た。幸い、向こうの母親は話の分かる人で、娘の友達もすぐに謝ってくれたと言う。雨降って地固まってくれることを願う。

2008年7月5日土曜日

親の顔が見たい

 おととい、娘が顔中にいくつもの引っ掻き傷を負って帰って来たのでびっくり。何が起こったのか問い詰めても、なかなか口を割らなかったが、ついに一人の同性友達に引っ掻かれたらしいことが分かった。「なんでやり返さない?」と問うと、「だって先生が『やり返したらいけません』って言ってたもん」と。実は、今週、二度目である。そいつの親の顔を見てみたい。殴り込みに行こうかと思ったが、妻に制止され、電話をするに留めておいた。

2008年7月4日金曜日

太っ腹

Alex: 「きのうはみんなで河豚を食べに行って、なかなか楽しかったよ。」
NorthernPika: 「へ〜ぇ、よかったねぇ。N先生は太っ腹だった?」
Alex: 「もちろん。」

お酒に関する言葉

「酒は百薬の長と言われている」:"Sake is said to be the best of all medicines"

・・・もちろんチョコレートもそうなんですが・・・

その逆の意味の言葉:
「タバコは百害あって一利なしだ」:"Smoking does nothing but harm"


T君がまた変なのを教えてくれた:
「飲む打つ買う」
例:「彼は飲む、打つ、買うの三拍子そろった遊び人だ」:"He is a complete playboy with all the vices, spending his money on drinking, gambling and women".

さすが、T君!

2008年7月3日木曜日

甲乙付けがたい

 Alexの日本語も日進月歩で、Lisさんの日本語と甲乙付けがたくなってきた。Yuanさんも頑張れ!

2008年7月2日水曜日

桃栗三年柿八年

 Alex、桃栗三年柿八年と言うように、一人前の研究者になるにはそれなりの年月がかかるんだよ。僕は博士号を取るのに会社を辞めてから5年も費やした。

大いなる遺産・その3:助け船を出す

孤児のピップはお金持ちのミセス・ポケットに「お母さんはお元気ですか?」と聞かれて、どう答えたらいいかを悩んでいた。すると彼女の子供たちの保母が助け船を出して話題をかえた。

「助け船を出す」: come to a person's rescue, put in a few words to help a person out

例:Pさんは緊急な用事でセミナーを中止して、Mくんは助け船を出して代わりに発表をしてくれました。

2008年7月1日火曜日

天涯孤独 【てんがいこどく】

WWWJDICによると、「天涯孤独」の意味は"a person without a single relative"です。

例文:彼は妻に死なれ天涯孤独の身となった。

日本語の勉強をしている私にとってはこの例文が意外におもしろいです。なぜかというと、「妻に死なれ」の部分は他の言葉にはあまりない言い方ですから。

(少なくとも、
私の知っている限りでは英語・オランダ語・フランス語ではそんな言い方がないと思います)

「天涯」を使う他の言葉:
天涯地角 【てんがいちかく】
天涯比隣 【てんがいひりん】
天涯万里 【てんがいばんり】

節穴

 Alexが、愛読誌であるNucleic Acids Researchに掲載された一つの"重要な論文"を見落とした。Alex、お前の眼は節穴か!