そうです。お屋形さまのご指示は、こういう生きかたを金科玉条(きんかぎょくじょう)にしている人間にとっては、全部逆の指示です。大混乱が起こります。
童門冬二『全一冊 小説 上杉鷹山』
須田は、国もとでの重役たちの動きを、手にとるように知っていた。というより、かれもその一味だった。米沢本国での"火種組"の行動は、重役たちからみれば目に余っ(めにあまっ)た。
童門冬二『全一冊 小説 上杉鷹山』
鳩首(きゅうしゅ)して、対策を協議するが、いい知恵は出ない。結論が決まっているからである。すべては金に帰着する。そして、その金がいまの上杉藩にとって、もっともないもののひとつであった。
童門冬二『全一冊 小説 上杉鷹山』