2026年10月6日火曜日

和気藹々

そして一人ひとりが前に出て、自分の描いた絵をみんなに見せ、子供たちが自由に感想を言い合う。少人数の教室だから、雰囲気は和気藹々(わきあいあい)としている。

村上春樹『騎士団長殺し』

2026年10月5日月曜日

生硬

客観的に見れば顔立ちは本来美形であるはずなのに、ただ素直に「美しい」と言い切ってしまうことに、人はなんとなく戸惑いを抱くのだ。何かが—おそらくある種の少女たちが成長期に発散する独特の生硬(せいこう)さのようなものが—そこにあるべき美しい流れを妨げているのだ。

村上春樹『騎士団長殺し』

2026年10月4日日曜日

能書き

しかしいったん能書き(のうがき)を並べ始めると、ずいぶん長くなりそうなワインですね。

村上春樹『騎士団長殺し』

2026年10月3日土曜日

屈託

かなりシニカルな世界観と言っていいかもしれない。秋成は生い立ちが複雑で、少なからぬ屈託(くったく)を抱えて人生を送った人でしたから。

村上春樹『騎士団長殺し』

2026年9月29日火曜日

感興

彼女にとって、私の存在したかつての人生と、私の存在しない今の人生とのあいだにはどれほどの違いがあるのだろう? そして彼女はその違いについてどんな感興(かんきょう)を抱いているのだろう? 私は考えるともなく、そういうことを考えていた。

村上春樹『騎士団長殺し』

2026年9月22日火曜日

しじま

私は人差し指を唇にあてた。免色はすぐに黙った。そして我々は夜の静寂(しじま)の中に耳を澄ませた。

村上春樹『騎士団長殺し』

2026年9月21日月曜日

禍々しい

満月に近い月の白く艶やかな光に照らされた祠は、それなりに意味深く、いくらか禍々し(まがまがし)くさえ見えたのだが、今ではただの色褪せた貧相な木箱にしか見えなかった。

村上春樹『騎士団長殺し』