春子は一人っ子でかなり我儘に育てられたのだが、結婚してからは二六時中(にろくじちゅう)夫の顔色を窺い、常に神経の休まることがなかった。乱暴した本人は別に後味の悪い思いもしないらしいのだが、春子は二、三日それがこたえた。
津村節子『玩具』
春子は一人っ子でかなり我儘に育てられたのだが、結婚してからは二六時中(にろくじちゅう)夫の顔色を窺い、常に神経の休まることがなかった。乱暴した本人は別に後味の悪い思いもしないらしいのだが、春子は二、三日それがこたえた。
津村節子『玩具』
その絵を見れば見るほど、まりえの口にしたことは正鵠を射(せいこくをい)ていると私には思えた。そのとおりだ。たしかに何かがそこから、その囚われた場所から外に出ようと必死にもがいているように見える。
村上春樹『騎士団長殺し』
それとも小さな氷山の上に立ったシロクマは、行く先もしれず、海流の赴くままどこかに流されていく私の身の上を暗示しているのだろうか? いや、たぶんそれは私のうがちすぎ(穿ち過ぎ)だろう。
村上春樹『騎士団長殺し』