2026年8月9日日曜日

言下に

治憲は静かにきいた。「なぜ、辞めたいのだ」「疲れました」竹俣は言下に(げんかに)答えた。

童門冬二『全一冊 小説 上杉鷹山』

2026年8月7日金曜日

好事魔多し

どんなに優れた人間にも、好事魔多し(こうじまおおし)というたとえがある。まして権力は魔ものである。権力に永く馴れていると、知らないうちに人間は堕落する。

童門冬二『全一冊 小説 上杉鷹山』

2026年8月4日火曜日

金科玉条

そうです。お屋形さまのご指示は、こういう生きかたを金科玉条(きんかぎょくじょう)にしている人間にとっては、全部逆の指示です。大混乱が起こります。

童門冬二『全一冊 小説 上杉鷹山』

2026年8月3日月曜日

不得要領

そのときがそうだった。不得要領(ふとくようりょう)な表情をしている柏木を見ると、須田はムッとした。

童門冬二『全一冊 小説 上杉鷹山』

2026年7月31日金曜日

哄笑

歓声は哄笑(こうしょう)に変わった。治憲が米沢に入国して初めてきく藩士たちの哄笑であった。笑いは心をほぐれさせる。ある種の感動が大広間に生まれていた。

童門冬二『全一冊 小説 上杉鷹山』

2026年7月30日木曜日

人いきれ

城内の大広間は侍たちで溢れた。風がないから人いきれ(ひといきれ)でたちまち暑くなる。暑さは人を不機嫌にする。

童門冬二『全一冊 小説 上杉鷹山』

2026年7月29日水曜日

目に余る

須田は、国もとでの重役たちの動きを、手にとるように知っていた。というより、かれもその一味だった。米沢本国での"火種組"の行動は、重役たちからみれば目に余っ(めにあまっ)た。

童門冬二『全一冊 小説 上杉鷹山』