そして一人ひとりが前に出て、自分の描いた絵をみんなに見せ、子供たちが自由に感想を言い合う。少人数の教室だから、雰囲気は和気藹々(わきあいあい)としている。
村上春樹『騎士団長殺し』
客観的に見れば顔立ちは本来美形であるはずなのに、ただ素直に「美しい」と言い切ってしまうことに、人はなんとなく戸惑いを抱くのだ。何かが—おそらくある種の少女たちが成長期に発散する独特の生硬(せいこう)さのようなものが—そこにあるべき美しい流れを妨げているのだ。
村上春樹『騎士団長殺し』
彼女にとって、私の存在したかつての人生と、私の存在しない今の人生とのあいだにはどれほどの違いがあるのだろう? そして彼女はその違いについてどんな感興(かんきょう)を抱いているのだろう? 私は考えるともなく、そういうことを考えていた。
村上春樹『騎士団長殺し』