金弥は、李が若い頃、懇(ねんごろ)だった芸妓であった。
山崎豊子『不毛地帯』
しかし先にも云ったように資金使途が海のものとも山のものともつかない(うみのものともやまのものともつかない)石油開発となると、投資家は誰も金を出さない。
山崎豊子『不毛地帯』
石油を安定的、低廉(ていれん)に確保するために、昭和四十二年、民間の企業が石油開発を行うに際して、当たるか、当たらないか全く解らない探鉱、試掘段階のリスク資金を、低利で融資、あるいは出資という形で援助するために設立された機関であった。
山崎豊子『不毛地帯』
バザール以南の下町は、石油の恩恵に浴さない昔通りの貧しい階級が犇くように住み、北の山手にはロイヤル・ファミリーや政府要人の宏壮(こうそう)な邸宅が、こんもりとした緑に囲まれて建っていた。
山崎豊子『不毛地帯』
「どうしてもというのなら、チャンネルを替える意向があいることをちらつかせてみることだ、それで向こうの出方を瀬踏み(せぶみ)してから、今度はこっちが態度を決めるという戦法がいいだろう。」
山崎豊子『不毛地帯』