2024年12月31日火曜日

引きも切らず

司令部へ救護を求めに来る満洲国政府関係者、避難民はひきもきらなかっ(引きも切らなかっ)たが、軟禁されている壹岐たちは手のかしようもなく、ソ軍当局にソ連兵の取締りと邦人の早期帰還を要請するのみであった。

山崎豊子『不毛地帯』

2024年12月30日月曜日

肯んずる

おそらく降伏を肯じ(がえんじ)ない部下たちに、聖旨を奉ずる道を切々と説き、説得をなし終えた後、割腹したのであろう。

山崎豊子『不毛地帯』

2024年12月29日日曜日

袂別

二十六名の幕僚たちは寂として声なく、袂別(べいべつ)の盃を干し、一人去り、二人去って行った。

山崎豊子『不毛地帯』

2024年11月22日金曜日

昂然

「死ぬために来たのです。死を怖れることなんかあるものですか」女は昂然(こうぜん)と言った。

新田次郎『天国案内人』

2024年11月19日火曜日

禅問答

いわば、網走湖の浮島天国を相手に禅問答(ぜんもんどう)でもしているようであった。

新田次郎『天国案内人』

2024年11月18日月曜日

すてばち

すてばち(捨て鉢)的なことばを吐いたにしては、まとも過ぎるほど冷たい表情がそこにあった。

新田次郎『天国案内人』

2024年11月17日日曜日

猖獗

そのころになると、発疹チフスはもうどうにもできないほどの猖獗(しょうけつ)をきわめた。

新田次郎『七人の逃亡兵』