2025年6月30日月曜日

閑却

この雑誌の中には人種差別というものは全くなく、驚くべきことにはそのために闘っている人々の記事さえないのだ。そういう意味では読者を啓発するということは閑却(かんきゃく)されている雑誌なのである。立身出世物語にしても、世の偏見といかに闘ったかという記録はなく、いかに彼に才能があったか、どうやってうまく金を儲けたかという話ばかりだ。

有吉佐和子『非色』

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