マスコミの無節操(むせっそう)さに呆れながらも、里井は始終、オリオン・オイルと組んで応札することに批判的だっただけに、全社沸きたつ喜びから取り残されたような侘しさを覚え、二日前の深夜、テヘランから一番札を取ったという第一報が入った時、壹岐をはじめ主だった役員は全員、大門が宿舎にしているホテルオークラへ招集されたにもかかわらず、副社長である自分には何の報せもなかったことが、屈辱的であった。
山崎豊子『不毛地帯』
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