一昨年の春、アメリカ近畿商事の社長として赴任し、はじめてこの部屋に足を踏み入れ、窓際に立った時の圧しひしがれるような威圧感とともに、小なりとはいえ、アメリカ近畿商事のトップとして、世界的な企業に伍し(ごし)てゆかねばならぬ大きな責任感と、そうしたポストと機会を与えてくれた大門社長に対する感謝の念が、今さらのように壹岐の心に甦った。
山崎豊子『不毛地帯』
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