あまりにも大袈裟な言葉に、一瞬、座が白けかけたが、立錐の余地もない(りっすいのよちもない)ほどの場内の騒めきにかき消された。
山崎豊子『沈まぬ太陽』
南専務は、命令が出た限りは、従うより他ないという意見です、もともと、心情的に恩地シンパ(しんぱ)なのです、せっかく、アカの親玉黴菌の恩地を、今日まで島流しにしてきたというのに、沢泉という子黴菌が育って、一人前のことをはじめたかと思うと、腸(はらわた)が煮えくり返ります。
山崎豊子『沈まぬ太陽』
これも、証人尋問のしんがりを務めた恩地さんの声涙ともにくだる(せいるいともにくだる)証言と、その後、沢泉君が中央執行委員長として、会社の差別政策を止めさせるよう、早期に命令を出してほしいと訴えた結果だよ、よくやった。
山崎豊子『沈まぬ太陽』