2025年2月16日日曜日

綿のよう

小出は綿のよう(わたのよう)に疲れ切りながら、もう何度も同じ答えを繰り返し、否定した。

山崎豊子『不毛地帯』

2025年2月15日土曜日

泰然自若

兵頭は、三十五歳という齢に似ず、泰然自若(たいぜんじじゃく)とした風貌を備え、会社と自分の仕事をいつも十年先まで考えている逸材の一人であった。

山崎豊子『不毛地帯』

2025年2月12日水曜日

ぬきさしならぬ

そして気がついた時は、自分もその泥沼の中にどっぷり浸かり、ぬきさしならな(抜き差しならな)くなっている。

山崎豊子『不毛地帯』

2025年2月11日火曜日

慇懃無礼

警察庁から出向して来ている官房長の秘書官の慇懃無礼(いんぎんぶれい)な声が、伝わって来た。

山崎豊子『不毛地帯』

2025年2月9日日曜日

あたらずさわらず

日頃は熾烈な競争相手も、年に一度の懇親会とあって、極力、商売の話を避け、あたらずさわらず(当たらず障らず)の世間話をして、和気藹々の雰囲気を作っている。

山崎豊子『不毛地帯』

2025年2月8日土曜日

豪放磊落

曾て空幕の調査課にいた小出にも、旧軍人らしい豪放磊落(ごうほうらいらく)な川又空将補の性格は解っていた。

山崎豊子『不毛地帯』

2025年2月7日金曜日

衒い

一週間の会期中、もう何度、見て廻ったかしれないが、最初はいいと惹かれていた作品の中に、気負いや衒い(てらい)が目にたって来るものもあれば、何となく見過ごしていた抹茶茶碗や、壺に、心のぬくもりを感じはじめるものもあった。

山崎豊子『不毛地帯』