2024年12月29日日曜日

袂別

二十六名の幕僚たちは寂として声なく、袂別(べいべつ)の盃を干し、一人去り、二人去って行った。

山崎豊子『不毛地帯』

2024年11月22日金曜日

昂然

「死ぬために来たのです。死を怖れることなんかあるものですか」女は昂然(こうぜん)と言った。

新田次郎『天国案内人』

2024年11月19日火曜日

禅問答

いわば、網走湖の浮島天国を相手に禅問答(ぜんもんどう)でもしているようであった。

新田次郎『天国案内人』

2024年11月18日月曜日

すてばち

すてばち(捨て鉢)的なことばを吐いたにしては、まとも過ぎるほど冷たい表情がそこにあった。

新田次郎『天国案内人』

2024年11月17日日曜日

猖獗

そのころになると、発疹チフスはもうどうにもできないほどの猖獗(しょうけつ)をきわめた。

新田次郎『七人の逃亡兵』

2024年11月16日土曜日

鼻薬

ロシヤ語の片言が話せる者は、ソ連兵に鼻薬(はなぐすり)をきかせて堂々と取引をするという噂もあった。

新田次郎『七人の逃亡兵』

2024年11月15日金曜日

夜の帷が下りる

夜の帷が降り(よるのとばりがおり)たと言っても、厳密には天文薄明と言われる時刻であった。

新田次郎『生き残った一人』