2024年11月13日水曜日

光芒

不夜城はあまりに大きくそして光芒(こうぼう)は強烈だった。

新田次郎『生き残った一人』

2024年11月4日月曜日

仮借

会社首脳部は軍の命令をそのまま津島におしつけ、監督官はつきっきりで作業を督促し、シュルツは仮借(かしゃく)のない態度で図面に眼を光らせた。

新田次郎『はがね野郎』

2024年11月3日日曜日

せせら笑う

ふんと鴨矢は鼻でせせら笑いながら、横目で沢田を睨むと、芳崎の遺品の毛布を丸めて小脇に抱えて、引き揚げていった。

新田次郎『望郷』

2024年10月26日土曜日

こましゃくれる

こましゃくれた口を利くばかりではなく、沢田のバンドに手をかけて、はずしにかかろうとする図々しさだった。

新田次郎『望郷』

2024年10月17日木曜日

卑近

彼のような抽象に長じた理論家がきわめて卑近(ひきん)な発明の審査をやっていたという事はおもしろい事である。

寺田寅彦『アインシュタイン』

2024年10月5日土曜日

捷報

この二回の捷報(しょうほう)は長安の君臣を悦ばせ、その度に戦捷気分は巷々に溢れ、皇甫惟明の名は辺境守備の英雄として漸く高くなっていた。

井上靖『楊貴妃伝』

2024年10月4日金曜日

血道を上げる

いかなる理由で、実際には何の力も持たぬ尊号などというものに血道を上げ(ちみちをあげ)ているか納得できなかった。

井上靖『楊貴妃伝』