2024年11月22日金曜日

昂然

「死ぬために来たのです。死を怖れることなんかあるものですか」女は昂然(こうぜん)と言った。

新田次郎『天国案内人』

2024年11月19日火曜日

禅問答

いわば、網走湖の浮島天国を相手に禅問答(ぜんもんどう)でもしているようであった。

新田次郎『天国案内人』

2024年11月18日月曜日

すてばち

すてばち(捨て鉢)的なことばを吐いたにしては、まとも過ぎるほど冷たい表情がそこにあった。

新田次郎『天国案内人』

2024年11月17日日曜日

猖獗

そのころになると、発疹チフスはもうどうにもできないほどの猖獗(しょうけつ)をきわめた。

新田次郎『七人の逃亡兵』

2024年11月16日土曜日

鼻薬

ロシヤ語の片言が話せる者は、ソ連兵に鼻薬(はなぐすり)をきかせて堂々と取引をするという噂もあった。

新田次郎『七人の逃亡兵』

2024年11月15日金曜日

夜の帷が下りる

夜の帷が降り(よるのとばりがおり)たと言っても、厳密には天文薄明と言われる時刻であった。

新田次郎『生き残った一人』

2024年11月13日水曜日

光芒

不夜城はあまりに大きくそして光芒(こうぼう)は強烈だった。

新田次郎『生き残った一人』

2024年11月4日月曜日

仮借

会社首脳部は軍の命令をそのまま津島におしつけ、監督官はつきっきりで作業を督促し、シュルツは仮借(かしゃく)のない態度で図面に眼を光らせた。

新田次郎『はがね野郎』

2024年11月3日日曜日

せせら笑う

ふんと鴨矢は鼻でせせら笑いながら、横目で沢田を睨むと、芳崎の遺品の毛布を丸めて小脇に抱えて、引き揚げていった。

新田次郎『望郷』