2024年6月25日火曜日

はだし

シリンダに圧力計をつけ、ピストンの動きと圧力との関係を自動的にグラフに表わす、いわゆるインディケータを考案して機関の効率をしらべるなど、そこで行なわれた作業の中には科学者はだし(跣)のことも少なくありません。

朝永振一郎『物理学とは何だろうか』

2024年6月24日月曜日

狭量

そこでは多くの先覚者たちが自然学のなかから呪術的あるいはその他の神秘的要素を洗いおとし、同時に、人の心を束縛していた古い固定観念と狭量(きょうりょう)な教会の教義とからそれを解放し、科学と宗教の守備範囲を確立していった、歴史のあとをたどってみました。

朝永振一郎『物理学とは何だろうか』

2024年6月23日日曜日

蝸牛角上

これを読んでわかることは、ニュートンにおいて、宇宙には天球もなく中心もなく、そこはもろもろの恒星がばらまかれた無限の空間であり、天動、地動の争いのごときものは、もはや蝸牛角上(かぎゅうかくじょう)の争いに見えるほどそれは壮大なものなのです。

朝永振一郎『物理学とは何だろうか』

2024年6月22日土曜日

鼓吹

一つは地動説を真実であると信奉しそれを他人に鼓吹(こすい)したこと、一つは、聖書にもとづく反論に応酬するため聖書を曲解しかつそれを主張したこと、この二点です。

朝永振一郎『物理学とは何だろうか』

2024年6月18日火曜日

捨象

天体の運動を論ずるとき、それを質量だけを持つ点と考え、それがどんな物質でできているか、どんな形や大きさのものであるか、などということを捨象(しゃしょう)してよいのは、この第三法則のおかげです。

朝永振一郎『物理学とは何だろうか』

2024年6月1日土曜日

牽強附会

この考えかたは、いわば、距離の中心と回転の中心とを使いわけることによって原則を守ろうというやりかたで、いささか牽強附会(けんきょうふかい)な感じもします。

朝永振一郎『物理学とは何だろうか』